美しいものを求めるのは人間の根源的な欲求 できるかぎり支援したい(前半)【Coffret Project コフレ・プロジェクト】

コフレ・プロジェクト支援活動の様子 貧富の格差に関係なく、全ての人が美に触れる事ができる世界を作るために「化粧」を切り口に、国境や人種、言語の壁を越えて人々が喜びを分かち合うプラットフォームを提供しているCoffret Project(コフレ・プロジェクト)

 Coffret Projectは、ネパールでの活動と合わせて、東日本大震災後からメーカーや個人から寄せられた化粧品を車に乗せて化粧品を配り、メイクを施しメイクと音楽のイベントを開催したりと、宮城県石巻市を中心に支援活動を続けている。

Coffret Projectは2009年7月に団体を設立。東京港区に事務所を構え、現在はおよそ10名のスタッフで運営。本サイトでは代表の向田(むかいだ)麻衣(※1)氏にロングインタビューを行なった。

Q Coffret Projectとしてメイクアップキャラバン出すきっかけを教えてください。

3月11日の震災直後一番初めに思い浮かんだのが、@コスメ(アットコスメ)の山田メユミさんから聞いた、阪神大震災の時に化粧品が欲しかったけれどなかなか言えなかったという話でした。

それを思い出し、一番はじめの復旧フェーズの次の段階でニーズがあるのではないかと思いました。「Todoke!」というマッチングサイトをCoffret Projectを始まりの事から支えてくれた友人が始めたため、そのあたりの手伝いからスタートしましたね。twitterでニーズを引き出しました。最初は法人しか被災地に入れなかったので個人の声を集めて法人を動かすという方法を取りました。
その後、大手化粧品メーカーに呼びかけをスタートしたところ、ヴァンサンカン編集部がツイッターで連絡を下さいました。そして、ヴァンサンカン編集部が化粧品会社の窓口になってくれて、私たちも現地へ化粧品を届ける活動を始めることができました。

Q向田さんは宮城県のご出身なんですよね。

はい。震災直後から私も家族と連絡が取れずにいてもたってもいられないという状況でした。
震災後4日目にやっと家族の無事がわかったので、家族はガソリンも少ししかないなかで、親戚のいる石巻まで車を飛ばしたようです。しかし着いた時は町中の至る所でまだ遺体が片付いていないような状況だったと聞きました。石巻の祖母の家は、1階で呉服店を営んでいたのですが、さまざまなものが混じり合った泥でめちゃくちゃな状態だったようです。

私は、震災2週間後に石巻に初めて入りました。なんて言ったらわからないくらい、最初はゴーストタウンのようでしたね。人がいないんです。
祖母が営む呉服店も泥だらけで酷い状態でしたが、祖母や叔母夫婦の無事な顔を見届けたことで、ほっとした気持ちになりました。自分が幼い頃から慣れ親しんできた街並みがなくなっていたというのは、私にとっても大きなショックでした。私の叔母夫婦は泥だらけの店舗から、畳を1枚1枚外に出して干すという作業を続けていたのですが、泥水にまみれた畳はとても重く、作業は重労働。今回被災した人たちは大変な作業の連続で心身ともに疲労の限界を超えているのだろうということを、痛感しました。

Q Coffret Projectが石巻の支援を志すようになったのはどういうところからでしょうか。

私が家族を訪ねて石巻の炊き出しに行ったんです。アースデイ東京のボランティア活動ですね。ライフラインがままならない中、豚汁を作ったりしました。その時はハンドクリーム程度しか化粧品は積んでいませんでしたが、叔母に渡したところ、顔にもクリームをつけたんです。その時に基礎化粧品のニーズがすでにあるということに気づきました。Make-up Caravanと銘打って化粧品届ける活動を始めました。最初は一台の乗用車に化粧品みかん20箱くらいの量。炊き出しの直前に化粧品を配りました。その時配ったのはメーカーから送られてきた新品の基礎化粧品です。被災地へ化粧品を届けたいが送る手段がわからない会社からのものもありました。とにかく女性たちは飛びつくように化粧品を取りに来ていました。基礎化粧品だけではなく、メイキャップのものも、具体的に多かったのは眉毛を書く眉ペンシルなどが欲しいと言われました。そのとき"これはとてもニーズがあるな"と感じ、早急に準備しようと思いました。

阪神大震災の時に個人が車を出したことで大渋滞がおこったということがあったときいていたので、心配をしていたのですが、私が行った時は道がガラガラでした。ですから私は個人で持っていける化粧品はすべて持っていこうと思ったんです。しかし今思えば、最初は気を遣っていたのだと思います。迷惑になってはいけないという気持ちでいっぱいでしたね。でも、化粧品のニーズはしっかりとありました。

インタビューは後半に続きます。

※1 向田麻衣

1982年10月24日生まれ。
17歳の時にネパールを訪問し、女性の識字率向上のためのNGOに参加。
大学在学中は小熊英二氏の研究室にて社会学を学び
2008年8月よりトルコにてNGOフィールドワークを行う。
化粧品メーカーのマーケティング部を経て
2009年にCoffret Projectの活動を開始。
趣味はフラメンコ、手品鑑賞、写真を撮ること、旅をすること、
語学を勉強すること(トルコ語、アラビア語、フランス語、イタリア語、ドイツ語)、
ただいま、ネパール語を勉強中。(2011年9月~)
相撲鑑賞、映画鑑賞(小津安二郎がすき)
慶應義塾大学 総合政策学部(SFC)09卒
【受賞歴】
2008年マスダ教育財団フィールドワーク奨学生
2009年 NEC社会起業塾ファイナリスト
2010年 イノベーショングラント4期選出/スカイライトコンサルティング主催 起業チャレンジ(審査員特別賞)
2011年 内閣府 ソーシャルベンチャースタートアップマーケット1期選出

【講演/講師歴】
・Google社 Woman's Leadership Forum
・Greens School Tokyo (greenz.jp 主催)
・Socimo Salon(株式会社Granma主催)
・津田塾大学
・東洋英和女子学院

取材/講演依頼・お問い合わせ:mai(at)coffretproject.com
Twitter : maimukaida / coffretproject

※ 掲載の写真はコフレ・プロジェクトからお借りしたものです。

(取材日 2011年11月2日 東京新宿区)

(2011年12月13日 09:00)
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