被災地から発信する写真のパワーを見てもらいたい【南三陸町写真展実行委員会】

佐藤信一氏が撮影した南三陸町
 先日、本サイトでも紹介したお台場フジテレビで行なわれた写真展は、約6万人が足を運び大盛況で幕を閉じた。この写真展の運営に携わる「南三陸町写真展実行委員会」の代表であり、フォトグラファーの山田泰彦氏にお話をお伺いした。

「団体発足から今まで、いろいろな会場で写真展をしてきましたが、100枚を超える写真が展示できるスペースで開催できたことを大変嬉しく思っています。お台場フジテレビという場所柄、幅広い層の方々が足を運んでくれたようで、写真を見て"なにか"を感じていただけたのではないでしょうか。」(山田氏)

 今回の写真展、会期中には写真家の佐藤信一氏と実際に自身で南三陸町を訪ねたというフジテレビの笠井信輔アナウンサーによるトークショーも行なわれ、トークショーを楽しみに客がフジテレビに押し寄せるという場面もあった。

 南三陸町写真展実行委員会の団体は代表の山田氏をはじめ、南三陸町で写真店を営み、自らも写真家の佐藤信一氏、そして南三陸町で水産業を営む山内恭輔氏の計3名で運営。発足のきっけけは山内氏の一言だった。
「震災が起きてから、自分が生きてきた南三陸町の写真を撮り続けている佐藤信一さんという写真家がいる。変わりゆく町や人の写真を日々撮り続けている。彼の活動を日本全国、多くの人に見てもらいたい。」

 宮城県の水産業界では指折りの株式会社ヤマウチを営む山内氏、店舗や工場、自宅も被災し、大変な中こんな言葉を発したのだった。山田氏は佐藤さんの活動と山内氏の想いを組み、団体発足を志した。

 山内氏と山田氏との出会いは9年前に遡る。山内氏が家業である水産業の仕事を志す前、東京で写真の仕事をしていた。その時から写真を通じて面識があったというのだ。

フォトグラファーの山田氏は震災後4月に南三陸町を訪れ、そのときの様子をこう語っている。

「カメラのシャッターを切ることができませんでした。本来であれば自分も写真を撮る仕事をしているので、シャッターは切れるはずなのですが・・・」

 山田氏は訪れた際に、たまたま南三陸町に生活をしている人たちの生の声をきいた。
"被災地にマスコミの人やカメラを持った人が来て、被災した町や自分たちの生活の写真を撮っていくんだよ。仕方のないことなんだろうけれど、正直カメラを向けられるのは辛い事なんだよね。"

その言葉を受け、山田氏はこう感じたという。

「自分(山田氏)が写真を仕事にしているからといって、今よその県から来た人がシャッターを切るのは違うだろう。写真が撮れるのは南三陸町に住み、町や人、場所をよく知る佐藤信一さんしかいない。そうだ。彼の写真を多くの人に見てもらおう。普通に戻りつつある東京で、震災があったことを忘れないでいてもらいたい。」

そんな想いから団体は発足され、東京各地で写真展が開催されているというわけだ。

 南三陸町写真展実行委員会は、CIPAと日本財団が共同で運営する、CIPAフォトエイドプロジェクト(※1)に応募しその助成金でフジテレビでの写真展を開催した。写真展を開催することで、写真を通して南三陸町を知り、多くの人たちに南三陸町を忘れないでもらいたいと考えている。
「写真には映像とは違う、大きな力があります。一枚のある人の写真を見て、その人の過去や生きてきた人生を想像する。今回の震災において南三陸町のそういう写真を撮れるのは、ずっとその町や住んでいる人を撮り続けてきた、佐藤さんしかいないんです。卒業式の元気な子どもたちの笑顔は、その町に生きてきた佐藤さんでなければ撮ることができない。」

山田氏は続ける。

「こうやって佐藤さんのような活動を応援していくこと、それが大切あことであると思っています。情報を発信するのは被災者自らなわけです。彼らの発信するパワーを日本中に届けること。もっともっとしていかなければ。」

フォトグラファーの仕事をしながら写真展運営のため、会場探しから準備・打合せと日々活動に励む山田泰彦さん。ますます彼の活動に期待したい。

南三陸町写真展実行委員会では、今後も東京を中心に写真展を行なう予定。
詳しくは、こちらの活動ブログを参照頂きたい。

 一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)と公益財団法人日本財団(日本財団)が7 月15日、先の東日本大震災で被災された地域の復興を支援するために、下記活動を目的とした基金を設立し、運営していくことで合意した。詳しくはこちらから。

CIPA(一般社団法人カメラ映像機器工業会)
2002年設立
2009年一般財団法人に関する法律に基づく手続きを行われ、一般社団法人カメラ映像機器工業会となった。(1953年頃、戦後間もないころに、日本写真機構協会として設立したものが前身で名前を変えたのが9年前)
 主な活動は、銀塩カメラやデジタルカメラといった映像関連製造及びソフトウェアなどの製造・販売・開発に携わる企業によって構成。製品規格・標準や技術研究に加え、環境問題など産業全体の課題に取り組み、写真・映像文化の発展に貢献することを目指す。

会長はニコン社長、副会長はソニー役員
・正会員17社(会費が違う、総会で議決権有り、会長・副会長・理事などが出せるになる権利)
・賛助会員:38社(全体のサポート)
・特別会員:カメラ財団
賛助会員には国際団体もある。
会員会社一覧はこちら

(取材日2011年11月14日 東京都新宿区)
(2011年11月24日 11:00)
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