農業の町・綾を揺るがす新燃岳の噴火【宮崎県綾町スタイルWEEK】

綾町で採れた日向夏ほか特産品の数々美しい照葉樹林で知られ、「日本で最も美しい村」連合のメンバーでもある宮崎県綾町が、東京虎ノ門の「フォレスタ虎ノ門」で、町をアピールするイベント「宮崎県綾町スタイルWEEK」を開催した。

 1月31日から2月4日まで、フォレスタ虎ノ門で行われた「宮崎県綾町スタイルWEEK」は、好評のうち幕を閉じたが、開催直前の1月26日に起きた新燃岳(しんもえだけ)の噴火が、イベントの盛り上がりに影を落としていた。上京した横山文也副町長に話を聞いた。
「本来は町長が来るはずでしたが、降灰の影響が大きく、代わりに私が来ることになりました」
 昨年の口蹄疫、そして鳥インフルエンザの流行に加え、今度は火山の噴火。
「なんで宮崎ばかり...と、県民みなが思っていますね」と、横山さん。
「噴火は、口蹄疫ほどではありませんが、小規模農家を中心に影響を与えています」
 綾町の産業は、農業が中心。中でもキュウリのハウス栽培が大きな割合を占めているが、風向きによっては大量の灰がハウスの上に積もってしまう。すると太陽が遮断されてしまい、作物が育たなくなる。

 横山副町長の話は続く。
「綾町はJリーグのキャンプ地にもなっていますが、フロンターレは中止。ガンバとヴァンフォーレも、キャンセルの可能性が大きいですね(注1)」
 本来なら気候温暖で、2月でも比較的暖かく、のんびり過ごせるはずの宮崎が、それどころではなくなっている。都城市や、新燃岳のふもとにある高原町(注2)では、さらに被害は深刻だ。
「一刻も早い終息を願っています」
 イベントでは特産品の日向夏が販売されていたが、この日向夏の栽培にも降灰が影響を与えているという。奇しくもインタビューを行った2月3日、火山噴火予知連絡会は「当分の間、現在と同程度の爆発的な噴火を繰り返すと考えられる」との見解を発表した。
 CANPAN NEWS読者の皆さんも、宮崎の降灰被害農作物を見かけたら、ぜひ積極的に購入し、被害地の救援に手を貸していただきたい。

 災害の話が中心になってしまったが、綾町はもともと豊かな自然の懐に抱かれた、美しい観光の町でもある。
「綾町の宝は、何と言っても見事な照葉樹林です。世界遺産の候補地でもあります」
 かつて1967年、国有林である照葉樹林に伐採計画が持ち上がったが、前町長の郷田實さんがその重要性に気付いて国と掛け合い、住民運動の先頭となって計画を阻止した。その結果、今日の綾町の発展がある...と、横山さんは語る。照葉樹林は、1982年に九州中央山地国定公園に指定され、2年後には観光の目玉として、当時日本一の長さを誇った照葉大吊橋(てるはおおつりばし)が架けられた。
「新緑の時期の照葉樹林は、本当に見事です。ぜひ綾町においでください」
 基幹産業である農業は、前述のキュウリや日向夏のほか、畜産も盛ん。牛は「綾牛(あやぎゅう)」、豚は「ぶどう豚」のブランドで知られ、どちらも今回試食販売されていた。

(注1)川崎フロンターレはいったん綾町入りしたが、キャンプを5日間で中止。ガンバ大阪は全日程を中止。一方、ヴァンフォーレ甲府、カターレ富山、ホンダFC(JFL)のキャンプは予定通り行われている(2月9日現在)。

(注2)高原町も、綾町と同じく「日本で最も美しい村連合」に所属している。現状に関して、CANPAN NEWSでも情報を掲載する予定。

(取材日 2011年2月3日 東京都虎ノ門)

(2011年2月10日 00:00)
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