CSRの理想を示すアヴェダのものづくり【アヴェダ】

マーケティング部 横山弥恵さん 人気美容室で使われるシャンプーなどでおなじみの、オーガニックコスメ*1の代表的ブランド「アヴェダ」(本社:アメリカ・ミネソタ州)。その経営理念は「人と地球環境への配慮」と「ビジネス成長」の両立だ。原材料のほとんどは、世界各地の小規模農家や先住民族からフェアトレードによる調達はもちろん、文化的・社会的なサポートをし、各コミュニティと持続可能な"Win-Winの関係"を築いているという。
特に年末年始の休暇シーズンには、毎年コミュニティとコラボレーションした『アヴェダ・ホリデーギフト』というセットを企画。昨年は、コロンビアの先住民族がタグアナッツ(タグアヤシの種)を拾い集め、女性職人が手作りしたヘアアクセサリーを同梱したギフトセットを発売し、コロンビアのコミュニティと熱帯雨林の保護をサポートした。

「コロンビアは貧富の差が約60倍もある国。そして、人口の約半分がアマゾンの森に依存して生活している先住民族の方たちなんです。私たちはそんな彼らとパートナーシップを組んでいます。昨年のタグアナッツのヘアアクセサリーは、コロンビア史上最大級のフェアトレードと言われています」(アヴェダ マーケティング部 横山弥恵さん)
「先住民族が地球の生物多様性の守り手である」と考えるアヴェダは、先住民族との持続可能な取引を15年以上前から積極的に行って来た。しかしそれは経営理念通り、慈善事業ではなく「ビジネス」としてだ。
「支援してあげているのではなく、彼らとは"イコール"な立場のビジネスパートナー。彼らにお願いしているのは、原料やアクセサリーの調達だけではありません。例えば成分に薬草を生かすのであれば、文献に載っていないような彼らの持つ知恵を借りることもあります。このトレードはあくまでも双方に利のあるビジネスなんです」(横山さん)

 アヴェダはミネソタにある本社工場のエネルギーを100%風力発電でまかない、敷地には土地の固有種の植林を行ってCO2のフットプリントを極力抑えるなど、環境保全活動にも積極的だ。また4月には22日の「アースデー」にちなんで、毎年世界中の直営店やネットワークサロンで、募金を目的とした限定製品を発売する。オーガニック認定エッセンシャル・オイルを使用したエコサート認定*2キャンドルを販売。売上金の全てが、「グローバル グリーングランツ ファンド (Global Greengrants Fund)」を通じて、きれいな水を守る活動に寄付された。
「特に日本ではお客さまに楽しく募金してもらえるように、それぞれのサロンが工夫を凝らして頑張っています。募金額やお店のディスプレイや独自の活動などを通して、お客様への理解をより深めたサロンを選んで『アースデー月間アワード』を贈っています」(横山さん)

 さらに、土に還らないゴミは極力出さないという姿勢から、パッケージも再生素材を全面的に採用。このような姿勢が評価され、一昨年、廃棄をなくすことを目的に、地球環境・生態系への影響について、高度な取り組みが行なわれていると判断された企業に対して与えられるCradle to Cradle(クレードル トゥーク レードル:ゆりかごからゆりかごへ)認定*3を、化粧品会社として世界で初めて取得した。
「出来る限りゴミを出さないという姿勢に共感していただいて、納得して製品を選んでいただければと思います。Cradle to Cradleという新しいものづくりの考え方を、もっと伝えていきたいですね」
「人と地球環境への配慮」と「ビジネス成長」の両立という企業使命、そして循環型のものづくりというアヴェダのビジネスモデルは、CSRに意識の高い多くの企業にとっての理想型であることは間違いない。


*1 無農薬・化学肥料を使わない大地で作られた植物など自然界由来の成分を中心に使って製品化した化粧品。

*2 1991年に設立された国際的なオーガニック製品の認証機関。有機栽培の世界基準となっている。

*3 材料、水、エネルギー資源を効率良く使用し、生産過程、使用時、使用後にもゴミを出さないという、持続的で再生可能な循環生産社会の実現を目指す国際エコ認証システム。

 

(取材日 2010年10月28日 東京都溜池山王)

 

(2011年2月 3日 15:00)
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