「鬼ごっこ」をビジネスに生かす【一般社団法人 鬼ごっこ協会】

子とろ子とろを体験している様子
普段はマジメな顔で仕事に励む会社員やOLが、楽しそうに笑いながら「鬼」の手から逃れようとする...。「鬼ごっこ」のエッセンスをビジネスに生かそうという、ユニークな「研修」が都内で開催された。

 研修は、1月16日の日曜日、八王子市南大沢文化会館・多目的室で行われた。30名あまりの参加者は、一般の会社員の他、会社経営者や主婦、学生など多彩なメンバー。
 研修は、鬼ごっこ協会羽崎泰男会長の挨拶に始まり、進行役の羽崎貴雄・協会理事が研修で実施する鬼ごっこを説明、中小企業診断士・二瓶哲さんが「ビジネスへの生かし方」の面から解説を加えるという形で進められた。
 この日、紹介されたのは「子とろ子とろ」「IQ鬼ごっこ」「宝探し鬼ごっこ」の3種類で、30名あまりの参加者は、笑い声を上げながら、ン十年ぶり(?)の鬼ごっこ体験に夢中になっていた。
 講師の二瓶さんは「仕事は楽しんでやるべきもの。鬼ごっこは、仕事を楽しむためのポイントを理解・習得するのに最適のツール」と話し、鬼ごっこ体験の仕事への生かし方を適切にアドバイスする。

 最初に紹介された「子とろ子ことろ」は、もともと宮中の行事で、1300年以上昔から行われていた記録のある、伝統的な遊び。記者も体験参加してみたが、攻撃側と守備側に分かれてチーム対抗形式を取るのが特徴。スタート前に戦略を練り、オーダー(攻撃側=鬼はチームを代表して一人が担当)を決めなければならず、頭と体の両方を使う楽しさがある。
 この日の参加者は、ほとんどが初対面だったので、まずチーム内で自己紹介を行い、続いて講師らによるデモでやり方を学んだ後、戦略会議、そして実戦へ。
 頭の中ではいろいろ考えていても、いざゲームが始まると、ただもう夢中になるばかりで、面白いことこの上ない。中高年の参加者たちも嬌声を上げて右往左往する。僅かな時間だったが、集中して取り組むため、終わった後はうっすらと汗ばみ、けっこうな達成感も得られる。

 ゲーム終了後、講師の二瓶さんは「仕事は計画→実行→検証→是正を経てまた計画の繰り返し」と話し、「ことろことろ」では戦略を立てて(計画)、実際に遊び(実行)、そして終わった後でどこがよかったか、まずかったのか(検証)作業を行うというサイクルを経験したと指摘。日々の仕事でも、「鬼ごっこ」体験を生かせば、楽しく取り組めるようになる...とのヒントを示した。
 参加者の一人、社会人一年生の池上智史さんは「誰もが知っている遊びを仕事に関連付け、体を使って学ぶ事はとても新鮮。入社後すぐというより、半年たった時などに仕事への向き合い方、新鮮さを取り戻させるなど使いようは沢山あると感じた」と話していた。
 研修の事務局である(株)アミカ企画と(株)タップクリエートでは、鬼ごっこ研修をパッケージ化し、民間企業や公的機関などに幅広く提案していきたいと話している。

 それにしても、そもそも、なぜ今「鬼ごっこ」なのか?
 鬼ごっこ協会の羽崎泰男会長(城西国際大学教授)は、次のように話す。
「今の子どもたちは、昔と違い、体を動かすことが苦手。本当は体を使って、スポーツをやりたくても、いろいろな要因があって難しい。そこで、誰でも、特別な道具を使わなくてもできる『鬼ごっこ』をスポーツ化した『スポーツ鬼ごっこ』を作り、子どもたちに楽しんでもらおう、というのが原点」
「鬼ごっこはたくさんのバリエーションがあるけれど、エスケン(*1)などの『陣取り系鬼ごっこ』は消滅の危機にある。でも、こうした遊びはスポーツの原点。今の子ども向けにスポーツの要素を加えて改良し、文化として伝えていくことも目的のひとつ」
 2月19日には、佐倉市ユーカリが丘にて、およそ300名が参加するスポーツ鬼ごっこ大会が開催される予定だ。

(*1)エスケン...陣取り遊びの一種。このページがわかりやすい

(取材日 2011年1月16日 東京都八王子)
(2011年1月28日 00:00)
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