環境のためではない、ファンのためのモノづくり【良品計画】

「良品計画」企画室環境広報の赤峰貴子氏
 シンプルで機能的な雑貨や文具、ナチュラル素材の衣類などが人気の「無印良品」。運営する株式会社良品計画では、様々な形で環境への取り組みを行っている。最近の取り組みのひとつに、以前当サイトでも取り上げた、日本環境設計が行う「FUKU-FUKUプロジェクト」への参加が挙げられる。
「無印良品には綿製品がとても多いのですが、これまで綿繊維はリサイクルに向いていないと言われていました。化学繊維のほうが逆に重宝される。天然由来のものは環境にいいはずなのに、リサイクルの世界では扱いにくい素材とされていました」
 
 そう語るのは企画室環境広報担当の赤峰貴子さん。彼女は綿繊維からバイオエタノールを精製するこのプロジェクトを知り、衣料品リサイクルの高い可能性を感じた。
「お客さまにもスタッフの心にも凄く"グッとくる"仕組みだと思いました」(赤峰さん)
不要になった衣類を店頭にて回収したところ、予想以上に好意的な反応が寄せられたという。
「店頭で直接お褒めの言葉をいただくことは少ないのですが、このプロジェクトに関しては、『よくやってくれた』『こういうのを待っていたんだ』『こういう企画こそ無印らしい』と言っていただくことが多いんです。それは店のスタッフにとっても、モチベーションに繋がります。『FUKU-FUKUプロジェクト』は、今のところとてもうまくいっています」
 
 無印良品の無染色、そしてコットン100%に近い衣類の数々は、バイオエタノールへのリサイクル率が非常に高いという。これまでは化学繊維が重宝されていた衣料品リサイクル。その概念は、この取り組みにおいては覆されたと言えるだろう。
「余計な物が入っていないという製品の良さが、ようやくリサイクルで生かされて、とても嬉しかったですね」(赤峰さん)
 
 良品計画ではその他にも、毎年10月にNPO法人子供地球基金の活動に賛同し、同法人の所有する子どもたちの絵が描かれたマイバッグを販売し、売上の一部を同法人に寄付する「子どもの絵マイバッグ」、コーヒーや紅茶などのフェアトレード商品の販売、森林を管理するためにキャンプ場を経営するなど、様々な環境への取り組みが行なわれている。しかしそれは、"環境企業"というアピールのためでは決してなく、無印良品のコンセプトを突き詰めたところ、自然とこのような形になったと赤峰さんは語る。
「私たちは決して環境のために事業をしているわけではありません。環境にいいから、社会にいいからということで、安易に商品化することはなんです」(赤峰さん)
 環境への配慮をアピールしたいばかりに、無印良品のファンが求める「安全性」や「楽しさ」を犠牲にするのは本末転倒。あくまでも売れる商品を売るという、良品計画の基本スタンスは変わることはない。
我々が良品計画に持つ「環境に配慮している企業」というイメージは、無印良品ファンたちが求める商品を作り続けた結果としてついてきた、いわゆる"おまけ"なのかも知れない。

(取材日 2010年10月7日 東京都池袋)
(2010年11月 1日 12:00)
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