京都の街で活動する人々と"協働"するNPO【きょうとNPOセンター】

CANPAN NEWS きょうとNPOセンターは、京都を中心に市民活動の"お手伝い"に奔走する中間支援組織。FMラジオ局を立ち上げ、地域のNPOに向けた財団を立ち上げるなど、その活動は多岐に渡る。
 常務理事・事務局長を務める深尾昌峰(ふかおまさたか)さんが、市民活動に関わるようになったのは滋賀大学に通っていたときのこと。
「滋賀大学は、敷地は大きいけどものすごく小さい大学で、とにかく人がいなかった。そこには、僕が夢見ていたキャンパスライフはありませんでした。友達もいなかったから全然楽しくなくて。そんなときにたまたま新聞でボランティアの募集記事を見かけて、面白そうだなと思って参加してみたのがきっかけです。そう、最初の動機は寂しさを紛らわせたかっただけ(笑)」
 少しずつボランティア活動を始めたその直後の1995年、阪神淡路大震災が発生。被災現場へ出向き、ボランティアに参加したことが、その後の彼の人生を大きく変えることとなる。
「それは強烈な体験でした...。そしてその頃に知り合った人達と、もっとみんなで力を合わせて何かやりたいね、ということになって、この『きょうとNPOセンター』を立ち上げたんです。それが1997年のこと。法人化したのは2年後の99年ですね」
 
 同法人はNPO法人では「京都三条ラジオカフェ」(FM79.7Mhz)というFMラジオ局を運営。NPO法人が運営する日本で初めてのラジオ局である。
「法人の立ち上げ当初から、メディアの大切さは凄く意識していました。それで、僕らの言葉をどうやってオシャレにさりげなく、スマートにアピールできるとか言ったらラジオ放送だろうと。当時はインターネットもありませんでしたからね」
 開局のプロジェクトが立ち上がった1999年当時は、NPO法人に対する理解も乏しく、放送免許を管轄する郵政省(現総務省)からは、「株式会社を作ってから出直して来なさい」と一蹴されてしまう。しかしめげずに足を運ぶこと3年強の2003年1月、ようやく超短波放送(コミュニティ放送)予備免許取得、そして3月31日には本放送が開始された。
 ここで放送される番組は、市民の誰もが放送することが可能だ。その料金は3分1,575円。
 
「放送されている番組は、例えば京都の有名なお坊さんたちが、悩み相談や何気ないお話をしてくれる『京都三条ボンズカフェ』なんかはとても人気のある番組です。他にも放送部の中学生に放送してもらったこともありますよ(笑)。この放送局は120万円あれば毎週1時間の放送を1年間できます。とてもお手軽な放送局でしょ?」
 その他にもミュージシャンへの道を諦めたサラリーマンが自ら出資して、有望な若手ミュージシャンを発掘して紹介する『気ままな音楽談義』など、市民によるユニークで自由な番組がラインアップされている。
 同法人では「京都地域創造基金」という財団を創設し、NPOへの寄付が活性化するための仕組みを作りも行っている。
「僕らは審査の厳しい公益財団の資格を持っています。市民活動を応援したいという方は、こちらの基金を通して団体に寄付するという形をとると寄付控除が受けられます。お金を出す方にもメリットがあるし、寄付を受けたNPOも潤う」

 また京都のNPO法人らしく、知恩院を始めとする浄土宗のお寺ともコラボし、地域社会とお寺との協働を深めるための事業を構想中だ。
「これまでお寺は檀家に支えられてきましたが、それだけでは経営も厳しい。これからは、公共空間みたいな感じで地域と協働していくことが、ひとつの生き残りの道じゃないかと個人的には思っています。地域とお寺が共生できる事業モデルを、我々と浄土宗さんで一緒に考えている最中です」
 同法人の常務理事・事務局長、そして京都地域創造基金の理事長に加え、立命館大学大学院、京都大学大学院、龍谷大学で常勤講師を勤めるなど大忙しの深尾さん。第二の故郷とも呼ぶべき京都の街を駆け回りながら、NPOやボランティア団体だけでなく、またお寺や一般市民の"お手伝い"を日々行ない続けている。

(取材日 2010年1月13日 京都府)

(2010年11月 5日 00:00)
From CANPAN NEWS
東北地方太平洋沖地震支援基金

CANPANプロジェクト

日本財団

CANPANレポート