人を活かすことこそ人材サービス企業のCSR【パソナグループ】

  オフィス内 水田の稲「オフィス緑化」への関心が高まる中、東京都千代田区の総合人材サービス業「パソナグループ」は、2009年のオフィス移転を機に緑化を開始。外壁にはバラが咲き、天井にはゴーヤーや瓜がなり、屋内の水田では米作りまで行なわれている。このオフィスは「アーバンファーム」と名付けられ、自然との共生をコンセプトに、野菜や果物を始め200種以上の植物が育てられている。
「植物のほとんどは社員が育てています。あちこちに散らばった各グループ会社が、オフィス移転によって、各グループ会社がここに集まることになったのですが、グループとしての営業を強化する中で、植物の管理も各会社の垣根を超えてやってもらっています。今まで会ったことのない社員同士が、植物の手入れを通して仲良くなることができました」(広報部 藤巻智志さん)

 ミーティングスペースや作業スペースも、たくさんの植物に囲まれている。これには社員に対する精神面のケアという役割もあるのだとか。
「気持ちいい職場が社員の健康にも繋がって、それが結局のところ、生産性に繋がるのではと思っています」(藤巻さん)
 採れた野菜は、9階のカフェテリアでランチとして提供。自分たちで育てた野菜は自分たちで消費する。地産地消ならぬ「自産自消」が基本となっている。
このアーバンファームでは一般見学も可能。取材当日も多くの来訪者が、屋内の水田や花畑、植物工場などを感心しながら眺めていた。

 オフィス緑化の例は他にもあるが、ビル内で「農業」を行うところはあまりない。人材サービスのパソナグループが、「農業」にこだわる理由。それは同社の新しいビジネスに関連する。パソナでは農業に興味がある人に対して、インターシップや研修など、農業に挑戦する機会を提供する「農業インターンプロジェクト」、他業種から農業へ転職した人に対して、ビジネスとして成功するためのノウハウを教える「Agri-MBA農業ビジネススクール"農援隊"」、農林漁業経営者を対象に、他産業経験者が「営業」や「マーケティング」など、農林漁業にも生かせる経験やノウハウを教えるセミナー「農林漁業ビジネス経営塾」、そして独立就農、または農業分野で起業を目指す人材を育成する「パソナチャレンジファーム」という、農業に関わる4つの事業を展開中だ。
「私たちが地方自治体から借りた農地で、独立就農を目指している方を最長3年間社員として雇います。そこで農業のノウハウを学んだり周辺農家とのコネクションを築いてもらって、4年目に独立就農してもらう。それが『チャレンジファーム』です」(藤巻さん)

 農業に感心を持つ若者や中高年は確実に増えている。しかし土地や初年度の生活費や農機具などの初期費用など、ハードルは決して低くはないのが現状だ。
「彼らのリスクを減らして一歩踏み出してもらう。それがこの事業の目的です」(藤巻さん)
 この4つの事業が軌道に乗り始めた今年、パソナではいよいよ本職である派遣ビジネスを農業分野で展開する「参謀派遣プロジェクト」を開始した。
「経営がうまくいかなかったり、利益が出なくて困っている農業生産法人などに、経験豊富なシニアコンサルタントを派遣します。派遣されるメンバーは社長・役員経験者も多数。それぞれの得意分野の知識を農業分野に還元してもらっていますよ!」
現在派遣登録数は500名強。某有名コンビニチェーンの元社長もエントリーしているというから面白い。
純粋な社会貢献から始まり、それをビジネスとして展開するパソナグループのCSR活動。ボランティアだけで終わらないその活動に、今後も注目していきたい。

 

(取材日 2010年6月28日 東京都大手町)

 

(2010年10月 1日 00:00)
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