社会起業とはこれまでの社会の仕組を変えること(後半)【今一生氏】

 

『社会企業家に学べ!』の著者、今一生氏 「社会起業とは社会問題を解決するために、社会の仕組みを変えること」
前半でそう語ってくれた今一生(こん・いっしょう)氏。後半では今氏が現在注目するNPOや、自ら追い続けている社会問題について伺った。

――身近な社会問題を取り上げるNPOで、最近注目されているところはありますか?

今 茨城県の霞ヶ浦でやってる「アサザプロジェクト」は面白い。湖の周辺にはいろんな村があって、子どもたちとかいろんな企業とか自治体の人たちなんかがいる。その人たちに湖がキレイになったときにメリットを考えてもらって、アサザっていう水草を、毎年浅瀬に植えていってもらうんです。子どもたちなんかは、遊びと思ってやってるから全然苦にならない。大人たちも自分たちの周辺だけ水草を植えればいい。それを毎年やることによって凄い数のアサザの群落ができる。水草が酸素を出してくれて水質が改善される。するとどこかへ行ってしまっていた水辺の生物たちが戻ってくる。お酒のメーカーの人だったら、水がキレイになれば酒も旨くなるでしょ? そうするとお酒のブランドができる。でも、周辺の人たちだって最初から協力してくれるわけじゃないから、始めは霞ヶ浦をみんなで歩く遠足ツアーみたいものを開催して、楽しみながら周辺の人たちを口説いていったんです。そうやって十数年かけて湖の周りにアサザを増やしていった。そうして昔は匂い立つほど汚かった湖が、今ではうなぎの養殖ができるほどキレイになった。湖周辺の人たちに、何かしらのメリットが生まれた。つまり霞ヶ浦をひとつ舞台にして、「幸せ共有モデル」を作ったんです。

――地に足がついた活動というか、それはとっても面白いですね。最後に今さんが一番興味を持たれている社会問題はなんですか?

今 僕は昔から児童福祉に関心を持っています。そこは一切ブレてない。大人は自己決定できるけど、子どもは自己決定できない存在。本人がそうしたくても、親の支配下に置かれたりと、環境的にそれを許されない子も多い。だけど障害者福祉、高齢者福祉などの他の福祉に対して関心がすごく薄いし予算も少ない。それは何故かというと子どもには選挙権がないから。関心が薄いし予算も少ないとなると、支援モデルが洗練されるまでものすごく時間がかかるんです。その間に大人になれずに死んでいく子どもいる。"サスティナブル"っていうのは、今生きてる子どもたちのことを考えることだと僕は思います。それが、やがて地域活性にもつながることなんですよ。

(PROFILE)
今一生(こん・いっしょう)
フリーライター、編集者。1997年『日本一醜い親への手紙』3部作をCreate Media名議で企画・編集しベストセラーに。『完全家出マニュアル』で自ら造語した「プチ家出」は流行語となった。著書に『社会起業家に学べ!』(アスキー新書)『プライドワーク』(春秋社)など多数。
Twetterアカウント:conisshow
★今一生さんがプロデュースする「ニッポン社会起業家スタディツアー2010夏

(取材日 2010年7月6日 東京都虎ノ門)

(2010年8月26日 00:00)
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