「もったいない」から始まったボトルキャップ回収の社会貢献【エコキャップ推進協会】

エコキャップ推進協会に沢山集まるエコキャップ ここ最近、企業や学校、家庭などで盛んに行われているペットボトルキャップの回収作業。集められたキャップはリサイクル業者に買い取られ、その代金は途上国の子どもたちにポリオ(小児まひ)ワクチンを贈る活動のために寄付されている。
この活動の中心として活躍する団体は、横浜市にあるNPO法人「エコキャップ推進協会」。今でこそ「キャップ回収=ポリオワクチン」というイメージが強いものの、その活動のきっかけとなったのは、とある女子高生たちの"もったいない"という意識からだったという。
「私はNPO法人『全国障害者福祉援護協会』の理事長も務めているのですが、5年ほど前にその活動で繋がりのあったNPOの方から、"女子高校生たちがペットボトルはリサイクルできるのに、キャップだけは焼却するのはもったいないと言ってキャップを集めている。何かに使えないだろうか"と相談されたことが、この活動を始めたきっかけなんです」(事務局長 永田近さん)

 永田さんはNPO活動で接点のあった住宅・建設資材メーカーの東京木工所に話を持ちかけた。するとキャップ(材質はポロプロピレン)から建設資材やその他のプラスチック加工品が作成できることが判明。同社はキャップ1キロ(約400個)を、10円で買い取ることを決定した。
「次に集まったお金を、社会的な活動に遣うことはできないかと、知り合いだった細川護煕元総理のご夫人、佳代子さんに相談して、彼女が理事長を務める『世界の子どもにワクチンを日本委員会』さんに、売却益を寄付することになったんです」
 当初は神奈川県内のコンビニなどに回収箱を置くなど、地道に回収活動をしていた永田さんだったが、ある日、コンビニでの活動を見た市民が新聞に投稿。その記事によって全国的に活動の内容が知られることとなった。すると「全国障害者福祉援護協会」の事務所に問い合わせが殺到。全国からキャップが集まることとなり、事務所は一時パニックに陥ってしまう。

「キャップの山に埋もれて作業してましたね(笑)。もちろん嬉しい悲鳴ではありました。でも、地方は地方でキャップを集めてリサイクルできるように、全国組織を作らなければ大変なことになると思い、2007年の9月にこの『エコキャップ推進協会』を立ち上げることになりました」
全国で集められることになったボトルキャップは、もちろん前述の東京木工所一社では処理し切れない。そこで永田さんは、プラスチックなどの材料再生を目指す「全日本プラスチックリサイクル工業会」に協力を要請。その結果、キャップの受け入れ業者は全国で96社に拡大した。また、配送業者である佐川急便も、通常の半額でボトルキャップを受け入れ業者に配送する『キャップ配送便』というサービスを提供し、活動の後押しをしている。

「送料半額と言ってもタダではない。本当は受け入れ業者が全国にあって、それぞれそこに持ち込んでもらうのがベストなんです。しかし、残念ながら業者は都心部には集中して、宮城県や青森県のように、一箇所もない県もあります」
まだまだ課題の残るというキャップ回収活動だが、現時点での協力団体は、企業も含めて全国で約3万6000団体。これまでに集められたキャップの数は約19億個。そして寄付の総額は約3360万円に登る。(2010年6月25日現在)
 女子高生たちの純粋な"もったいない"という気持ちは、キャップを焼却しないことによるCO2排出量削減、そして世界の子どもたちの命を救うという、大きな社会貢献に成長したのである。

(取材日 2010年6月7日 神奈川県横浜市 関内)
(2010年7月15日 00:00)
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