宮崎の自然、美しい森を次の世代に受け継ぐために【子どもの森】

 
「子どもの森」理事長の横山謙一氏 2008年12月、日本財団が運営するNPO「CANPAN」が主催し、「市民活動と企業の寄付のあり方を探る」モデルプロジェクトが企画された。寄付を申し出たのは、企業に社員研修プログラムなどを提供する株式会社ウィル・シード

「紙を多く使うため、環境に負荷をかけています。ですから環境問題に取り組む団体に支援したいと思いました」(株式会社ウィル・シード 表取締役社長 船橋力さん)
40万円ずつの寄付を受けることとなったのは、宮城県と宮崎県の2団体。今回は、宮崎県東臼杵郡門川町(かどがわちょう)のNPO「子どもの森」を紹介する。
 
「10年ほど東京に住んでいたのですが、久々に門川に帰ってきてビックリ。海水浴場が、埋め立てられて運動公園になっていたんです。私が遊んでいた川や海は、工場や家庭の廃水などが原因で汚れていて、今ではもう泳げません。悲しかったですね。もし将来、環境破壊がもっと進んでしまったら、子どもたちに同じ思いをさせてしまいます」(「子どもの森」理事長 横山謙一さん)
横山さんは「自然を守り続けるためには、人々の意識を変えることから」と思い立ち、2003年7月に環境保全に特化した「子どもの森」の設立に参加。その活動は、森を〝守り〟そして〝作る〟ために、スギ伐採跡に元々自生していたカシやヤマザクラなどの広葉樹を植樹し、下草刈りなどをする「育林作業」。そして将来の環境の守り手となる子どもたちに対して、森の中で遊びながら自然を体験できる「環境プログラム」の二本立て。
環境プログラム」とは、廃校となった小学校分校を修繕した「森の学舎」を拠点とし、ドングリや木の枝を使ってのネイチャークラフトや、ネイチャーゲーム(*1)、ゴミ拾いや川遊びなどを通して、子どもたちに自然の豊かさを楽しみ、自然の大切さを知ってもらう体験型環境学習のこと。
「今の親たちは危ないからということで、なんでも禁止してしまいます。子どもたちはこういう場がないと自然体験もできないようになってきています。本当はこんなことをしなくても、勝手に自然の中で遊んで、それを親が見守っている。それが理想なんですけれどね。でも、今の親の世代だって体験していないから、仕方がないと言えば仕方ない」
 
 また子どもたちだけでなく、高校生から大人に向けて、森林の知識やチェーンソーや刈払機の扱い方を教える「森づくりボランティア養成セミナー」のような催しも行っている。
「とにかく次の世代をどんげんかせにゃいかん! この活動が自分たちだけで終わってしまっては、自己満足で終わってしまいますからね。早く次の世代に任せられるようになって、この活動から引退して、楽しい老後を迎えたいと思っています(笑)」
 そう笑う横山さんだが、まだまだ活動からの引退は先のこと。ぜひともその活動を継続して、再生された美しい自然の中で楽しい老後を迎えてもらいたい。
 
(*1)1979 年に米国のナチュラリスト、ジョセフ・コーネル氏により発表された自然体験プログラム。様々なオリジナルゲームを通して、自然の不思議や仕組みを学び、自然と自分が一体であることに気づくことを目的としている。
 
(取材日 2009年12月1日 宮崎県門川)

(2010年6月24日 12:00)
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