父親が子育てすれば日本は変わる!?【ファザーリング・ジャパン】

育児休暇について語るファザーリング・ジャパン代表 安藤氏
 この6月1日から多くの自治体で支給が開始された、鳩山前政権の目玉政策「子ども手当。続く6月30日からは改正育児介護休業法が施行され、日本の育児をさらに後押しする。この改正によって夫婦同時期の育休取得が可能になるなど、男性の育休取得促進が期待されている。
「ただし支給される金額は給与の5割程度。それでは正直言って不安は残ります。そこで私たちは個人や企業、団体から寄付金や協賛金などを募って、育児休業を取得する父親たちの不安を、少しでも解消するために経済的支援を始めました」(NPO法人ファザーリング・ジャパン代表・安藤哲也さん)

 男性の育児参加を強く推進するNPO法人ファザーリング・ジャパンは、施行に合わせ、5万円~10万円の現金を支給する「さんきゅーパパプロジェクト」を開始。現在6名が申請中だ。
「育児休業の取得率アップもそうですが、父親が育休を取りづらいという社会の空気を変えていきたいんですよ。いろんな意味で育休をとるお父さんたちの、社会的価値を上げていきたい! ヨーロッパは母親と父親が育休を半分ずつ取るのが当たり前。日本はようやくその出発点に立ったところですね」(安藤さん)

 「ファザーリング」とは「父親であることを楽しもう!」という意味の造語。そこには「よい父親ではなく、笑っている父親が増えてほしい」というメッセージが込められているという。
「お母さんは子どもを身ごもった瞬間から勉強を始めます。自治体が開催する『母親学級』などに通って準備することができる。だけど男性の場合、勉強する機会が少ないし、あっても仲間がいないから続かない。仕事ばかりやっていて、いきなり育児しろなんて言われても無理ですよね。だから僕らは『父親学級』みたいなものを、もっと行政がやるべきだということで、『ファザーリング・スクール』を立ち上げて、実績作りをしている最中なんです」

 ファザーリング・ジャパンではこうしたスクールやセミナーの他に、4者択一、50問50点満点の「パパ検定」というユニークなサービスも行っている。
「父親たちの『育児力』の合否を判定するものではありません。『妊娠・出産』『赤ちゃんの病気』『乳幼児期の暮らし』『子育て支援制度』『ワーク・ライフバランス』などに関する  設問を考える事で、育児や奥さんとの関係、働き方の見直しなどについて考えるきっかけになればいいと思っています」

 ファザーリング・ジャパンが行うこうした活動の全てには、「父親が変われば世界は変わる」というテーマがある。男性の育児に対する意識が変われば、社会全体が変化していく。それが安藤さんの考えだ。
「政治家や官僚、会社の社長や役員だって男が多い。社会を牛耳っているのは男たち、要するに父親たちですよね。次世代育成という意識を持ってその力を発揮すれば、ユニバーサルデザインが普及したり、 商品やサービスも、環境にいいもの、次世代にいいものになってくるはずです。父親たちは大きな力を持っているのに、大事なところに使ってないんですよ。株主のために使ってる場合じゃないでしょ(笑)」
 ファザーリング・ジャパンの会員は現在約120名。4月には九州5月には関西に支部が設立され、そしてこの夏には東海支部も設立される同団体。"笑っている父親"の輪は、全国へと着実に広がっているようだ。

(取材日 2010年5月21日 東京都白山)

(2010年6月14日 00:00)
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