ボクはボクのままで、いいんだよね!【みやぎ発達障害サポートネット】

みやぎ発達障害サポートネット6月1日、「みやぎ発達障害サポートネット」が、認定NPO法人(*1)となった。発達障害児をもつ母親たちによる、この団体の可能性を大きく広げたのは、07年にスタートしたブログ「虹っ子広場」による情報発信だ。

 「発達障害」という言葉の示す範囲は、とてつもなく広い。「発達障害者支援法」では、「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害」と定めているが、基礎知識がなければ皆目見当がつかない。誤解を恐れずくくってしまえば、脳の微細な機能不全が原因で、日常生活や社会適応にうまくいかない部分のある人々、ということになるだろうか。
 発達障害の子どもたちには、幼いうちから適切なサポートが必要だ。しかし、知的な遅れを伴わず、一目見ただけでは普通に見える子も多い。こうした場合、能力があるのに怠けている、ふざけている...と誤解されがちだ。すると、子どもたちは社会に適応していくのが、ますます難しくなる。一方、先天的な症状であるにも関わらず「育て方が悪い」「愛情不足」と親が教師に責められるケースも多い。(*2)。

 NPO法人「みやぎ発達障害サポートネット」の伊藤あづさ事務局長も、もともとはそうした親の一人だった。
「『みんなちがって、みんないい』という金子みすずの詩がありますが、でも日本の社会はみんなと一緒にできる子が評価されます。発達障害の子どもは『みんなと一緒』になるため、ものすごいエネルギーを使ってがんばることが多いのですが、評価されない。当たり前のこととして片付けられてしまう」
 母親たちもまた、乏しい情報の中、わが子にとってベストの手段を探し回るしかない。

「初めて来たお母さんに、あなたのせいじゃない、誰が悪いのでもない、という話をすると、みんなそれまでの迷いや一人で頑張ってきたことから解き放たれたように泣くんです」(伊藤事務局長)
 発達障害の子どもを持つ母親たちには、「一人で頑張らないための」横のつながり=ネットワークのサポートが不可欠なのだ。

 「みやぎ発達障害サポートネット」は、05年に任意団体として産声を上げた。
「もともとは全国で高機能自閉症やアスペルガー症候群のネットワークを作ろうという、補助金のついた事業が始まりでした。同じ悩みを持つ母親みんなで何か始められれば...と、勉強会からスタートしたんです。事業が終わるとき、このまま解散するのはもったいない、みんなで何かやりましょう、という話になって...」(伊藤事務局長)
 2年後、NPO法人格を取得。そしてこの07年5月、結果的にネットワークを大きく広げていくことになったブログ「虹っ子広場」をスタートさせた。初日の記事は実に9本、そして早くも三日目に「ブログを見て問い合わせが...」との記述が見える。アクセス数は日を追って増え続け、この年のうちに会員数は3倍、各事業への参加者も2倍に。11月にはCANPANのブログ大賞・福祉賞を受賞、様々な補助を受けるきっかけにもなった。

 なぜ「虹っ子広場」が人気ブログとなったのだろうか。
「書き手は6~7人います。でも誰が書いていても、同じ考え方が流れている。だから続けて読んでも違和感がない。みんなが同じ理念を共有していることが、ブログの信頼性を高めていると思います」(伊藤事務局長)
 ブログの執筆メンバーたちが共有しているのは、「発達障害でも大丈夫!」という懐の深さだ。身近に発達障害の子どもがいない筆者が読んでも、全体を貫くポジティブさには元気付けられる。まして、たった一人で悩んでいる発達障害児の母親が、このブログを見つけたら、どれほど心強く思うだろう。
「小さい子どもについては、まだ不十分ですが、体勢が整ってきました。これからは中学生・高校生を視野に入れて、彼らが大人になったとき『ボクはボクでいいんだ!』と思えるような仕組みを作っていきたいですね」(伊藤事務局長)


(*1...「認定特定非営利活動法人(認定NPO法人)」とは、特定非営利活動法人(NPO法人)のうち一定の要件を備えているとして、国税庁長官の「認定」を受けた法人。認定を受ければ、当該法人へ寄附をした個人や、企業などの団体が納める税金が軽減される仕組みで、寄附を促進するシステムだ。)


(*2...興味のある方は、仙台市教委の作成したパンフレットがわかりやすいので、ご参照いただきたい。)

 

(取材日 2009年12月9日 宮城県仙台市)

 

(2010年6月11日 00:00)
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