りんごの木一本だけのオーナー制度でりんご王国・青森をバックアップ【あおもりNPOサポートセンター】

サンサンと青森の日光をあびたふじりんご

 高齢化と後継者不足により、世話をする人がいなくなったりんご畑を再生すべく、りんごの木一本ずつのオーナーを一般から募集する「梅田NPOりんご園」が、昨年に続き今年の2月にオーナーを募集。昨年の33本に続き、今年は25本のオーナーを募った。

 りんご畑があるのは青森県五所川原市梅田。所有者は同市出身の画家である伊藤正規さん。ふじを主に栽培していたが、高齢のために畑を世話し続けることができなくなったいう。

「青森は『りんご王国』などと言われますが、そういった課題を抱えているというのが現状です。弘前は全国で生産量1位、当然青森県も1位。少し前までは全国の5割は青森のりんごでしたが、今は5割を切りました」

そう語るのは「梅田NPOりんご園」を運営する「あおもりNPOセンター」の理事長、田中弘子さん。廃業する理由は後継者不足だけではない。リンゴ栽培には、莫大な費用がかかるのである

「お金がかかるのは主に農薬。りんごの木一本につき、年間で約2万円の農薬が必要なんです。農家が育てるりんごの木は数百本ですから、年間1000万近いお金がかかります。でも災害に遭って実が落ちてしまえばそれで終わり......」(同副理事小山内誠さん)

 「梅田NPOりんご園」のオーナーが行うのは、りんごの木の剪定から下草刈り、樹木のチェックや支柱立て作業など、農薬散布以外のほとんどすべて。そのような苦労の末に最大で木箱15個、約200キロのりんごが収穫できる。

「オーナーさんたちは売るためにやってるわけではありません。自分たちで作ったものを自分たちで食べる。だからなるべく甘くて美味しいりんごにしようと努力するのではないでしょうか。手間暇かけて収穫したりんごは、やっぱり美味しいんですよ」(小山内さん)

 とはいえやはり相手は自然。災害に遭ってしまえば、その苦労が水の泡となるのは、本業の農家と全く一緒。それを受け入れることが、りんごの木のオーナーとなるための最大の条件でもあるという。

 昨年11月の収穫の際には見事なりんごが実り、オーナーやその家族らが1つひとつもぎ取って持ち帰った。

「青森の人も、りんごがたくさん採れるのは知ってますが、りんごのことは実はあまり知らない。青森の名産であるりんごの木が、自分の物になるというだけで嬉しいという人もたくさんいました。りんごを身近に感じられることが、凄く魅力的だったみたいですね」(田中さん)

 地元の特産品の危機を地元民が救う。しかもその活動内容は楽しくて魅力的。「梅田NPOりんご園」という一風変わった試みにこれからも注目していきたい。

 ※今年度の募集期間はすでに終了しています

(取材日2009年8月24日 青森県青森市)

(2010年5月 7日 00:00)
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