小児がん患者と家族ための夢の病院計画【チャイルド・ケモ・ハウス】

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 日本人の死亡原因のトップはがん。がんは大人だけでなく、子どもの命さえも容赦なく奪っていく。0歳~15歳の死亡原因の1位は不慮の事故、そして2位は小児がんである。小児がんで亡くなる子どもの数は、年間で750人~900人。小児がん治療中の子どもたちと、その家族のQuality Of Life(生活の質)に配慮した、日本で初めての専門施設設立を目指すNPO法人チャイルド・ケモ・ハウス事務局長、萩原雅美さんも2004年に次女を小児がんで亡くしたひとりだ。

 次女のがんが発症したのは生後10ヶ月のとき。1歳上の長女を両親にあずけ、萩原さんは24時間、大学病院で闘病生活を送る次女の側に付き添い続けた。抗がん剤治療で抵抗力が落ちるため、他の病気を警戒して1歳上の姉との面会も制限された。このような生活が約2年間も続いたという。

「小さな子どもは1年でグッと成長します。その期間2坪の空間にずっと押し込められて、姉妹にも会えない、友達にも会えないという生活をしなければなりません。本当に辛い治療ですよね」(萩原さん)
 薄いカーテン1枚のみで仕切られたプライバシーもない狭い空間。付き添い続ける萩原さんも胃痛や湿疹にも悩まされた。小児がんと闘う患者と家族は、病気以外とも闘わなければならないのが、小児がん病棟の現状だ。
 
 そんな小児がん患者と家族が、安心して抗がん剤治療などの化学療法(ケモセラピー)を受けることができる専門施設の設立を計画しているのがNPO法人チャイルド・ケモ・ハウス。目標は阪大病院などを中心とする関西の医療機関と連携して、小児がん患者の化学療法が行える19床ほどの滞在型施設を建設すること。入院経験のある子どもや家族の意見を取り入れた充実したアメニティ、小児がんの知識がある看護師や、子どもの心身の状態をサポートする専門家が常駐するなど、小児がん治療中の子どもと家族のための"夢の病院"の建設を目指すべく、萩原さんやスタッフが、日々奔走している真っ最中だ。
 
 しかし"病院"として既存の補助制度を受けてしまうと、様々な制約を受けてしまい、患者やその家族に本当の意味で配慮された施設づくりは実現不可能。よって、建設にかかる費用は全て寄付によってまかなう予定とのこと。

「施設の建設にかかる費用は、8億円を想定しています。現在は累計で3700万円ほどの寄付金が集まっています。たくさんの寄付をいただいていますが、夢が大きいだけに建設は少し先のことになりそうです」
 
 実現すれば同施設をモデルとして、同様の施設が全国に広がっていくことも予想される。小児がん患者と家族たちのための、"質の高い"治療空間の実現に向けた同団体の活動に、今後も注目していきたい。

(取材日 2010年1月15日 大阪府)

(2010年5月28日 12:00)
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