ボランティアやNPO活動は帯広市へ"お返し人生"【帯広NPO28サポートセンター】

帯広川でE-ボートを漕ぐ子どもたち

東北海道西端、十勝平野の中央に位置する帯広市。ここは日本スピードスケート史上最年少でオリンピックに出場し、日本だけでなく世界に話題を振りまいた高木美帆選手の出身地でもある。

 大自然に囲まれたこの帯広市において、地域や市民のために活動するNPOは約30。その全てを1つにまとめ、横の繋がりを提供するという役割を果たしているのが帯広NPO28サポートセンターだ。同法人は中間支援事業の他に、子どもたちへ水辺の体験やレスキュー講座なども行っている。

「人間はそもそも水辺の生き物。人間の体は65%から70%の水分でできています。私たちは"歩く海"とも言われていて、海水の塩分と私たちの体の血液の塩分はほぼ同じ。人間は水と深い関わりのある生き物ということですよね。ですから水文化を考えたときに水に親しむこと、水からの恵みに感謝しないといけないこと、水との関わりで生命が維持されているということを教えてあげないといけない」帯広NPO28サポートセンターの理事長、千葉養子さんはそう語る。

 千葉さんがボランティア活動に携わるようになったのは20歳の頃。きっかけは一冊の本だった。

「三木たかし※1さんという方の『人生三等分』という本に出会ったんですよ。0才から25才までは家庭で育てられ、50才までは社会で育てられて、そして最後の25年間は育てられたことへの"お返し"の3つの人生。そう書いてありました。それを読んで、私がしたいことはこれだ! って思ったんです」

 ボランティア活動の拠点は、千葉さんの母親がかつて経営していた銭湯の風呂場。

「男湯と女湯の浴槽の中がサロンとなっているんです(笑)。〝嫌なことは水に流して〟という感じでサロンを始めて10年以上経ちますが、サロンの鍵を開けっ放しで出て行っても物がなくなるなんてことはありません。周りで事務所荒らしが起こっても、このサロンは荒らされることはありませんでした。逆にお菓子を置いて帰る人はいましたけどね(笑)」

 ボートやレスキュー体験などの水辺の環境学習活動を行う「北海道エールセンター十勝の運営、地域の集会場として市民に提供しているサロンの運営、帯広市の市民活動の相談、NPOやボランティアなどに関する様々な相談業務など、帯広NPO28サポートセンターの活動は様々。千葉さんは大忙しの毎日を総じて「地域へのお返し人生」だと話す。

「私は自分を見つめて、自分との対話の中で、何が出来るかって言うことを考えて、考え付いたことを一所懸命やればいいだけの話。社会貢献という意識ではなく、ただただ一生懸命生きて、やれることをやっているだけなんですよ」

帯広市の市民活動を支える"ビッグマザー"として親しまれる千葉さんの"お返し人生"はまだまだ続く。

 

1:「津軽海峡・冬景色」「時の流れに身をまかせ」など、多くのヒット曲で知られる作曲家。昨年5月11日岡山市内の病院で死去。享年64歳。

 (取材日2009年7月29日 北海道帯広市)

(2010年4月 7日 00:00)
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