美術館のない弘前市を"アートの町"に【harappa】

アートの街弘前市 奈良美智の作品

鋭い目つきの可愛らしい女の子の絵が印象的な、世界的にも評価を受けるポップアーティストの奈良美智。近頃ではネットオークションで贋作が出回ったことでも話題となった人気アーティストだが、そんな彼を輩出した青森県弘前市を"アートの町"にするべく奔走するのが弘前市のNPO法人「harappa」だ。

2000年から2002年にかけて巡回展を開いていた奈良美智の弘前市凱旋が決定。しかし弘前市にはアート設備がほとんどなかった。そこで立ち上がったのがharappaの前身となるボランティア集団。彼らは弘前市吉野町の煉瓦倉庫内にギャラリーを設営し、2ヶ月で述べ6万人の観客を呼ぶことに成功した。

「あくまでこの奈良美智さんの展覧会をやるために、いろいろな人が集まりました。実は奈良美智さんの作品を知らない人もいて、でも町作りという観点だったり、煉瓦倉庫にただ入ってみたいという興味だったり、そんな人たちが集まったのが最初ですね」(同法人職員小杉在良さん)

その展覧会のみの限定的な集まりであったharappaだったが、展覧会終了後も弘前市をアートで盛り上げ続けるために存続。現在では美術だけでなく映画、音楽、出版、インターネット、さらには若手アーティストの育成など、様々な領域で柔軟な活動を続けている。

「アートプロジェクトやボランティアのプログラム、アーティストの支援なども行っています。地元の若手には創作する場がなかったり、発表する場が分からなかったり、展示会をやりたくてもどうしていいかわからないという人も多いんです。ギャラリーを借りる方法も分からない。そういった相談を受けたり、誰かを紹介したりということもやっています」(小杉さん)

 アーティスト以外でも、とにかく何かを表現したいという若者からの問い合わせも多い。まさにアート&イベントの駆け込み寺状態である。

「いきなり『こういったことやってみたいんだけど』とか『こういったことの相談も聞いてもらえるんでしょうか?』みたいな感じで問い合わせてくる人もいますね。harappaはどちらかというとアートっという打ち出しで活動していますが、何かをやりたいという人たちを、実現させてあげるためにサポートするのも事務局の役割のひとつなので全然OKですよ(笑)」(小杉さん)

今後の課題は弘前という町とさらに深く関わった活動をしていくこと。小杉さんいわく現在はまだ"点"の活動が多いのだとか。

「どこかの会場だったり、それこそ原っぱだったり、空き地だったり"場所"での活動できていると思いますが、それを繋いでいって面に出来るように頑張りたい。そのためには町との関わりという部分をもっと積極的に繋げて行って、町全体がアートの香りがするような、そんな町にしていきたいと思います」(小杉さん)

(取材日2009年8月26日 青森県弘前市)


(2010年4月28日 00:00)
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