食品企業と貧困者層を結ぶフードバンク活動【セカンドハーベスト・ジャパン】

食の大切さを語るセカンドハーベスト・ジャパン理事秋元氏 我が国の食料自給率は現在約4割。しかしその一方で、毎日6000トンもの食品がゴミとして廃棄され続けている。そんな中、品質には問題がないものの、消費者に届かずに廃棄せざるをえない食品を譲り受け、必要としている人たちに無償で届ける「フードバンク活動」が注目を集めている。

 食品を届ける先は、低所得者やホームレスのシェルター、児童福祉施設、母子緊急生活支援施設などの団体や個別の貧困家庭など様々。

「食品を必要としている人というと、路上生活者というイメージがありますが、もちろんそれだけではない。日本の貧困率から見れば、母子や高齢者の割合は非常に高いんです」そう語るのは2000年からフードバンク活動を始め、その概念を日本に紹介したセカンドハーベスト・ジャパン理事の秋元健二さん。同団体では日本全国の施設や家庭に"規格外"の食品を送り続けている。

 流通での販売期限が切れた食品や外箱に不備等がある食品は、十分品質保証ができるにも関わらず〝規格外〟として通常の流通では消費者に渡ることがなくなります。そんな規格外の食品を企業等から寄贈してもらい、安全に正しく届ける組織がフードバンク団体です。寄贈する企業も、規格外の製品を通常のルート以外で流通させるのは不安なんです。食品を受け取る施設などもやはり不安ですよね? その両方の不安を取り除いてあげるのが我々の役目です」(秋元さん)

 現在、セカンドハーベスト・ジャパンに食品等を寄贈する企業は488社。当初は外資系の企業が多かったが、ここ最近は国内企業の参加が上回っている。

「ようやく"フードバンク"の知名度が上がってきたということだと思います。単に聞いたことがある、知っているというのではなく、正しく知る機会が増えてきたのでしょう」(秋元さん)

 食品企業がフードバンク活動に支援するメリットのひとつは、廃棄せずにコストが削減することができ、なおかつ食品事業で社会貢献ができることという。食品企業にとっても食品を大量廃棄することは、決して本位ではないと秋元さんは語る。

「農林水産省によると食べられる食品が年間500万~900万トンも捨てられていると聞くと、我々はもったいないと思います。でも一番もったいないと思っているのは、実は食品企業の方たちなんです。たとえばボランティアに参加していただく方で多いのは、食品企業の従業員の方たち。そこから企業との我々との関係がスタートして、最終的に食品などを寄贈していただけるようになるのです」(秋元さん)

 低所得者に無料で食品配ることに対して「受益者の依存性が高まってしまうのでは?」という指摘も少なからずあるという。フードバンク活動の本場であるアメリカでも、同様の指摘がされている。

 そもそも規格外の食品は計画的に生み出されるわけではなく、またこちらからオーダーするわけにもいかない。だから十分な量を渡すことなんて絶対にできないんですよ。受益者の依存が高まるほどの量が渡せるのであれば、それはその時に考えますけどね。そういった指摘を受けるのは、まだまだ我々フードバンク団体の努力が足らないから。今はフードバンク活動のことを正しく知ってもらうことを頑張らないといけないと思っています」(秋元さん)

 セカンドハーベスト・ジャパンが活動を始めてまだ10年あまり。しかしその理念は確実に全国に飛び火し、フードバンク団体の数は少しずつだが増えている。

「全国のいろんなフードバンク団体ができて、地域で出た食品はまずは地域の施設で消費をして、それでもまだ余るものは地域同士で分け与える。そういう風にまでなれたらいいですね」(秋元さん)


(取材日2010年2月24日 東京都浅草橋)


(2010年4月19日 00:00)
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